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VNCTST games 開発日誌

ゲーム開発日誌

電ファミニコゲーマー企画記事分析 #6 マシリト回

電ファミニコゲーマー企画記事分析

電ファミニコゲーマー企画記事分析のルールに従って、 http://news.denfaminicogamer.jp/projectbook/torishima を分析するエントリ。

今回は内容が濃密すぎる為にものすごく長くなってしまったので、まとめを先に持ってくるようにした。

まとめ

元ジャンプ編集者の話という事で、思わず吼えペンを連想する部分もあった…。

はっきり言って元記事が素晴らしすぎる。まとめづらい。迷った時に何度も元記事を読み返したいレベル。

しかしそれでは意味がないのでゲーム作成の為にまとめた。

  • ビジュアル駆動、話題駆動でのゲーム開発を考える(クロノトリガー方式)

    • まずキービジュアルを作りこんでしまう。ゲームを作り込んでいくのはその後
    • キャッチーに仕上げる
    • 先にボス戦の構図だとか、決めのシーンの絵を仕上げた上で、そこに向けて作っていく
    • 製作途中のゲーム(のビジュアル部分)をどんどん公開して、事前プロモーションを行っていく
      • このプロモーションは「ワクワク感」が感じられるものでなくてはならない
      • これは宣伝効果というよりは、製作者側を追い詰める効果を期待しての事
  • 製作者目線では判断してはいけない、プレイヤー目線で判断しなくてはならない

    • プレイヤーにとって面白いか面白くないかが最重要
    • 製作者は「クリエイターのエゴ」がある為に正しく判断するのが難しい。もし「編集者」的なポジションの人がいると、その人によって「クリエイターのエゴ」を抜いて判断できる
  • 漫画などとは違う「動かしたものが自分になる」ゲームの特性を最大限に有効活用する事を考える

    • プレイヤーが操作キャラに没入しやすいように構成しよう
    • プレイヤーが「操作キャラは自分ではない」と思ってしまうような要素はなるべく排除しよう
      • 分かりにくい要素も、プレイヤーが操作キャラに没入するのを妨げる事につながるので、できれば排除しよう
    • 基本的には、プレイヤーキャラにはいい思いをさせよう。異性にモテる等
      • なお、プレイヤーによっては「異性よりも同性にモテたい」等のケースがありえる。しかしこれらの全てのニーズに対応する事は不可能。ここでは以前のエントリでの結論である「想定プレイヤーを具体的に絞る」方針での対応とするのがベストだと思われる
  • 最重要なのはキャラクター

    • キャラの描写を行う際は「身近な存在だと感じられる」ように工夫する
      • 「身近だと思うキャラ」が困っていたりしたらプレイヤーは「助けよう」と思いやすいが、これが「別に身近じゃないと思うキャラ」ならばプレイヤーは「まあどうでもいいや」となり、ゲームを放棄されやすいと考えられる
    • たとえ人型のキャラでなくても、(敵としてではなく)動き回ってたりしていればそいつは「人間」であり、その設定および描写が上手くできていれば「身近だ」と思わせられる
  • まず、とにかく短期間でたくさん作り、たくさん失敗する。これによって、短時間で効率良く学ぶ

    • これは「自分は何を売りにすべきなのか」を身をもって理解する為に必要な作業であるとの事
    • 「自分が作りたいもの」と「自分にしか作れないもの」は別であり、前者はつまらないものにしかならないので後者を作らなくてはならない、だがその為には先にそれを見極める必要がある、という話
  • 「お金はしっかり稼ごう、君はお金で時間を買うんだ」

  • 子供の鋭敏な感性での「リアリティ」を重視する

    • それは「大人から見た現実っぽさ」の事では全くない。現実物理法則等に反していてもよい
  • 「クローズドな環境に閉じこもり徹底的に絞っていく作業」を行う事を考える

全く役に立たないまとめ

  • 有能な編集者を仲間にしよう

引用一覧

  • ファミコン十字キーの操作性も素晴らしかったし、面白かった。十字キーの操作の通りにキャラクターがキチンと動いて、ピタッと止まるでしょう。あれがパソコンゲームにはなかった」

  • (ドラクエについて)「『ウィザードリィ』は世界観や戦闘は面白いけど、フィールドやダンジョンは単調で気が滅入る。逆に『ウルティマ』は戦闘は面白くないけど、フィールドやダンジョンは面白い」

    • 「じゃあ、いいとこ取りでやるんでしょ」
    • 「鳥山さんを『ドラクエ』のキャラデザに入れたのは、あくまでも雑誌編集者として誌面でのアイキャッチを強めたかったから」
  • 「大事なのはジャンプという雑誌の“読者目線”でいかに記事を作るか」

    • 「知った方がいいことと知らない方がいいことがある。中に入ると、つい作り手の目線に立ってしまうでしょ。優れた編集者というのは、どこで線引きをするかを的確に判断できなきゃいけない」
  • (FF5の発売前タイアップ企画をジャンプで開始するが、紙面上での人気がボロボロだというところから)

    • 『そこで僕たちはゲームに映画のスチールの考え方を持ち込んだんだよ。要するに、始まったばかりで何も出来ていないものを中途半端に見せても仕方ないじゃない。だから、いきなりキービジュアルを作りこんでしまうわけ。「このシーンはこうだ!」というビジュアルを先に見せた上で、後からゲームを作り込んでいく。これが現在に至るゲームの記事の出し方の始まり』
    • 「先にボス戦の構図だとか、決めのシーンの絵を仕上げた上で、そこに向けて作っていくんだよ。これを徹底的にやったのが、少し先の話になってしまうけど『クロノ・トリガー』」
      • 「先に鳥山明さんが各シーンの絵を描いて、それに合わせる形でスクウェアがゲーム画面を作って、ゲームはそれを縫うように作っていった」
      • 「ゲームの反響から先に設計している」
      • 「当時のジャンプの誌面の中でいかにウケるかという発想からゲームが作られていた」
  • 『クリエイターは自分が作ったものに対する思い入れや愛着があるんですよ。それに、「これは仲間と一緒に作ったものだから」とかつい思っちゃうしね。』

    • 『でも、僕たち編集の仕事は、読者目線で「そういうクリエイターのエゴをいかに断ち切るか」にあるんです。全ては読者にとって、面白いか面白くないかだけ。だから、勝負は最初にパッと見た瞬間に決まる。キャッチーかキャッチーじゃないか――まずはそれなんですよ』
  • 「坂口や堀井さんたちのプロジェクトにこんなに無責任に関われてしまうのは、お金をもらってないからなんだよ。ノーギャラだからこそ、僕は彼らに“お客さん目線”で好きなように言えるの。それはとても大事なこと」

  • 「開発途中のゲームをどんどん公開して、プロモーションにつなげていく手法を徹底することにした」

    • 『各社の人に「クリエイター個人の名前と顔を表に出したい」と頼み込んだ。だって今後、子供の憧れの職業がゲームクリエイターになるはずだと思ったから』
    • 「だから、坂口が誌面に登場するときには、ファッションカメラマンとスタイリストをつけたし、堀井雄二さんが登場するときも魔法使いみたいにCG風に登場させた」
  • 『ジャンプには「この世の面白いもの」は全て集まらなきゃいけないから。そういうブランディングで戦ってる以上、絶対に手を抜いてはいけないんです。子供は真実を見抜くからね』

  • 「ワクワク感」

  • 『「動かしたものが自分になる」という感覚の持つ凄まじさ』

    • 『漫画やアニメで一番難しいのは主人公と読者を一体化させることだからね。キャラクターを立てて、主人公を自分だと錯覚させるために、漫画家は本当に沢山のテクニックを使うわけ。 ところが、ゲームは動かした瞬間に主人公は自分になってしまう。漫画において最も習得が難しいノウハウを、あらかじめクリアできている。これが漫画やアニメと比較したときの、ゲームの凄まじさ』
  • RPGとは「違う人生を体験することだ」』

    • 「そこに導入するために、彼の物語のキャラクターは自分ではしゃべらない」
  • 「自分が面白いと思えるものを作って、ジャンプのアンケートで他をなぎ倒せばいい」

  • 「漫画の技術というのは、基本的には全て分かりやすさから来てる」

  • 「漫画はやっぱり構成だから、絵と台詞を組み合わせて表現するとはどういうことか、アングルとは何か、コマ割りとは何か、そういうことを徹底的に作り手の側が理解していないとダメ」

    • 『しかも恐ろしいことに読者は、それがちゃんと出来てるかを瞬時に判断してきて、その結果の感想が「読みにくいな」なんだよ』
  • 「ビッグヒットを生む最大のコツは何か分かる?」「下手な鉄砲、数打ちゃ当たる」

    • 『いかに作家に無駄弾を撃たせて、いかに何度もダメ出しをして、最後には作家に「自分は他人よりなにが優れているか」を悟らせるか、これに尽きる』
    • 『編集の側から「こうすればいい」とサジェスチョンしても、結局は作家の身にならない。作家自身に自分で気づかせる以外にない』
      • 「ということは、編集の仕事は短時間に的確にダメ出しを繰り返すことに尽きる」
  • 『作家には「描きたいもの」と「描けるもの」があるんだよ。そして、作家が「描きたいもの」は大体コピー』

    • 『色々と彼はカッコいい絵柄の作品だとかを描いてきたけど、最後には「則巻千兵衛」というオッサンと「アラレちゃん」というメガネを掛けた女の子に行き着いた。でも、それこそが彼にしか描けないキャラクターだったんだね。そこに辿り着いたときに初めて、彼はヒット作家になった』
    • 『結局、ヒット作はその人の「描けるもの」からしか出てこない』
    • 『それは作家の中にある価値観であり、その人間そのものと言ってもいい。これをいかに探させるかが大事で、そのために編集者は禅問答やカウンセリングのように色々なことを対話しながら、本人に気づかせていく』
      • 『すると、本人にしか出せないキャラクターが、まさに則巻千兵衛のようにポンと出てくる瞬間がある。ここにその作家の原点がある』
  • (漫画の才能を見抜く感覚の磨き方は)『ありとあらゆる面白いものを見て、自分自身の価値観を作ってはぶち壊すのを繰り返して、自分という人間の土壌を耕し続ける』

  • 「ストーリー作りに時間をかけても、意味なんかないよ。大事なのはキャラクター」

    • 『「人間」を描けてるかどうかの一点に尽きるんだけどね。動物だろうが、ロボットだろうが、魔物だろうが、やっぱりキャラクターである以上は、本質的には“人間”なのよ。それがしっかりと描けていれば、「これは私だ」と読者に思わせられる』
    • (キャラの人間描写をする際のコツは)『「身近」に感じられるかどうか』
      • 『君が大好きだった女の子にデートの約束を取り付けて、その場所に急いでいたとする。そのとき、交通事故で倒れている人がいたら、どうするか。知らない人だったら、きっと君は助けるかどうか迷うはず。でも、それが自分の弟や妹、あるいは友達だったらどうするか。たぶん、君は迷わず助けるんじゃないかな。そして、その君の判断は「身近」に思っているかどうかにかかっている』
      • 『キャラクターの「身近さ」を上手く作れているだけで、同じエピソードでも切迫度が一気に違う』
  • (メディアミックス等での二次展開のルールについて)「シナリオからキャラクター設定まで事前に全て決めた上で、原作者の鳥山さんに見てもらう。ただし、以降は原作者は立ち入らない」

  • 『桂さんには「お前は女を描くしか取り柄がないんだ。死ぬ気でカバーを描け」と迫った』

  • 「作家の預金通帳にお金がちゃんとあれば、彼らは嫌な仕事をする必要がなくなる。次の作品を練るべきときに、焦って変な仕事だってしなくていい」

    • 「お金はしっかり稼ごう、君はお金で時間を買うんだ」
  • 「『ドラゴンボール』でも何冊か揃えると、(背表紙に)神龍が現れる仕掛け」

  • 「仕事なんだから、いかに合理的に進めるかを常に考えなきゃ」

    • 「鳥山さんに全部デザインを先に決めてもらったの。それに合わせて単行本のカバーを作ったら、そのままリリースできるようにした」
    • 「このやり方なら、最初に鳥山さんに絵を描いてもらえれば、単行本ごとの確認も必要ない。鳥山さんも、単行本を作っている編集プロダクションも、みんな楽になる。小さなことかもしれないけど、こういうことを合理的に進めるのも編集の仕事」
  • 『「友情」と「勝利」は正しいんです。でも、「努力」は子どもは大嫌いなんです。実際、昔アンケートをしっかりと取った結果は「友情・勝利・健康」だったんだから』

    • 『「ドラゴンボール」では「努力」はさせなかったんですよ。「修行しました」とは言うよ、でもあくまでも結果で見せていく』
    • 「そういう子供が敏感に感じ取れてしまうところで嘘をついたら、おしまい」
    • 『「ドラゴンボール」でも戦闘シーンは、徹底的にアクションを本格的につくったんだよね。逆に子供にそういう部分で「本当だ!」と思わせちゃえば、あとはもうどんな嘘でも受け入れてくれる』
    • 『子供は本当に正直なんだよ。例えば、大人は「子供はどうせ世の中の理不尽さなんて知らないだろう」と思ってしまいがちじゃない。大間違いだね』
    • 「大人になると、人間は色んなことを経験して、自分の判断を曇らせていくんですよ。その方が生きていく上で、楽だからね」
    • 「だけど、子供は違う。最も感性が鋭くて、あらゆる物事をピュアに感じられるのが、子供時代なんです。ところが、それなのに彼らはお金もなければ、学校にも行かなきゃいけない。先生と親にも従わなきゃいけない」
      • 「でもね、そうやって現実で虐げられているからこそ、彼らは二次元の世界に対して鋭敏な感受性を持つ」
        • 『大人であれば「フィクションだしな」と思って見逃してくれるようなことも、子供は見逃してくれない』
      • 『世界が平和だなんて大嘘で、たとえピッコロ大魔王や魔人ブウが出てきても、国連は何の役にも立たない。そして、悟空がスーパーサイヤ人になるのは、何かの大義のためじゃなくて、一番の友人だったクリリンが死んだとき――こういう話に怒る大人もいるかもしれないけど、これこそが自分たちのリアリティだとして子供は受け取るんだと、僕は思う』
        • 「そして子供は、そういう部分に関しては驚くほど正確に、大人たちの言うウソを見抜いてくる」
  • 「『ドラゴンボール』は最初の頃、あまりに人気が弱くて、打ち切り寸前の状態になってしまった」

    • 「どこに問題があるのかを徹底的にチェックしたら、悟空のキャラが立っていないのが原因」
    • 「既に出ていた亀仙人だけ残して、全てのキャラクターを一度鳥山さんに捨ててもらった。それで、悟空と対照的なキャラとしてクリリンというのを引っ張りだして、3人で修行をさせるところからやり直した」
    • 『それで分かったのは、悟空が「ただ強くなりたい」というキャラだということ』
      • 『そこで、次にそのキャラを引き立てるために持ちだしたのが、「天下一武道会」』
    • 「トーナメントで大事なのは、毎号どうやって読者を前のめりにさせるか」
    • 「トーナメント戦が始まると、いつも以上に読者は展開を真剣に予測しはじめるから、それを上手く裏切ってみせたり、誰が勝ち残るかを読者投票で予測させる企画を打ったり、というのを徹底的にやり続ける」
      • 「そうすると、どんどん読者がその世界に入り込んできて、クラスでのクチコミの話題もどんどん広がっていく」
  • (ジャンプの)『初代の編集長が立てたテーマに尽きるなと思ったんです。つまり、「新人の新連載」「編集者と二人三脚のモノづくり」「読者アンケート」の三つ』

    • 「新しいことをやるなら、人間ごと取り替えなければいけない。それで新しい作家をどんどん出して、自分たちのカラーを定義していくべき」
    • 「結局、やるべきことは作家と一緒だったんですよ。いかに編集者を短時間で効率よく失敗をさせていくか」
    • 『アンケートに意味があるとすれば、なにか――たった一つだね。こちら側で仮説を用意して質問をして、読者の「半歩未来」のデータを取るのに使う』
    • 「実際、アンケートがダメな場合ひとつ取っても、いくつかの要因があるんですよ。単に読まれていないのか、反響がないだけなのか、あるいは今回に限って人気がないのか」
  • 「コンテンツが生まれるときに、クローズドな環境であることと、有料の場であることは欠かせないんですよ。でも、インターネットにはその両方がない」

    • 「何か創造的なものを生み出すためには、作家をクローズドな環境において、徹底的に絞っていく作業が欠かせない」
    • 「有料で値付けされていないと、受け手が真剣に身構えない」
      • 「気軽にだらだらと受け手が見るような場所では、なかなか作家は育たない」
    • 「ものづくりにおいて編集者は絶対に必要」
    • 『クローズドというのは究極的には「個人の才能」』
      • 「創造の奇跡というのは常にクローズドになって、個人の力が発揮される瞬間に生まれる」「チームワークからそんなものが出てきたことはない」