VNCTST games 開発日誌

ゲーム開発日誌

最初の三分間を作り込む(ゲームの面白さの考察その二)

『全然ゲームが作れない。ちょっと動くものを作るぐらいはできるのだが、それをそのまま開発し続けても面白くなるように全く思えないので、開発し続ける気力が出なくエターナる』『じゃあどうするか』というのが前回に提示した問題。

これに対する結論は『「資源集め面白さ」「発見面白さ」「観光面白さ」を「開発中に」も感じられるゲームの原案を作る』というものだった。

しかし考えてもそのような原案は出てこない。 何故なら「資源集め面白さ」「発見面白さ」「観光面白さ」はいずれも、「データの作り込み」「マップの作り込み」「アップグレード(cookie clicker表現)の作り込み」が発生源であり、作り込む段階に達していない開発時には感じづらいものだからだ。

ではどうするか、という事をちょっとぐだぐだと考えてみた。 まとまった結論は出ていないので注意。


現在主流となっているF2P型のゲームでは「最初の三分」が重要だという( https://www.google.co.jp/search?nfpr=1&q=%22F2P%22+%E6%9C%80%E5%88%9D%E3%81%AE3%E5%88%86 )。

この三分間でプレイヤーを引き込めば三分後も引き続きプレイしてもらえるだろうし、そうでなければもう遊ばれないだろう、という事らしい。

これは開発時にも当て嵌まるのではないのか。 最初の三分間のところだけを素早くプロトタイプ実装し、それで面白いか判断し、いけると感じるなら開発続行、そうでないなら別のアイデアで三分間プロトタイプ実装、という繰り返しを行えばよいのではないか。

オーケー。では具体的に、どういうものなら「面白そう」となるのか?

  • パズドラみたいな(下パズル画面を操作して上バトル画面でダメージ表現など)プロトタイプを三分間プレイ分だけ実装する

    • つまりゲームシステム根幹に関わるようなもの。パズドラレベルのシステムならプロトタイプでも「これは面白い」となるだろう。問題はそこまで優れたゲームシステムのアイデアは自分には特にないという事。パズドラ等のクローンを作ってもいいが個人的にはパズドラの「パズ」部分はあまり好きではないので一旦パスする(優れたゲームシステムのアイデアが出たらまた検討する)
  • イース3の塔やOPデモ空間のような「魅力的なゲーム内空間」を、最初の三分間でプレイヤーにうろつかせて味わわせる

    • つまり最初の三分で「観光面白さ」(の一部分)を味わってもらう、という事になる。出来が良ければ開発する気力も出るだろう。
    • ただしこれは、今後もこういう「魅力的な景色のステージ」をどんどん量産し続けないとプレイヤーはついてこなくなるし、開発する気力も尽きる。よって、そのようなステージを量産できる手法や技術が必要となる。開発難易度は割と高いのでは?
  • 最初の三分で「このゲームはこんな魅力的な世界観です」という事を表現する

    • 「魅力的な世界観」とは?
      • 「よくあるファンタジー世界です」で確実に一定の魅力を確保できるものの、製作者たる自分が「よくあるファンタジー世界」をあまり好きではない。ので却下
      • 候補としては「原始時代/中世/近代など史実/歴史物の舞台」「現代/近未来」「宇宙/未来」「各種の異世界(ファンタジー系、魔界など)」等が選択肢か。魅力を引き出せるかは企画や表現次第
      • 他の候補としては「二次創作(東方とかラブクラフト系とか。シェアードワールド系?)」も選択肢とはなる。例によって、本家の魅力をきちんと引き出せるかは企画や表現次第。前述の「よくあるファンタジー世界」も、これの一種に含められる
        • 「実は既存のゲームである○○の世界をベースにした世界観なんだけど、○○は××社のIP。なので、固有名詞とかを出さないように気をつけて、表立って『○○の世界観だよ』とは言わない(言えない)。でも製作者の精神的には○○の二次創作だ」みたいなのも…アリか?
  • 最初の三分で「魅力的なキャラ」を出して引き込む

    • 漫画、小説、映画脚本と同様のテクニックとなる為、テクニックの流用が可能
    • いわゆるソシャゲ系の多くもこれに含まれると考える
    • 「どうやって魅力的なキャラを作成(できれば量産)および表現するか」にかかっている
      • 多くのソシャゲで採用されている解法は「著名な絵描きさんにキャラ絵を描いてもらい、人気声優に声を出してもらう」だが…
        • 一部のソシャゲでは、きちんとしたゲームシナリオライターを使ってキャラを立てているものもある(そうでないのも多いようだが)
  • 最初の三分で「魅力的な敵」を出して引き込む

    • ギャルゲ/エロゲ系RPGなど。敵がかわいい女の子なら、それだけでプレイするインセンティブとして成立する
      • 攻撃して倒していいのか迷うという問題は一応ある
      • 同じ敵キャラが複数同時に出現するのは違和感があるかもしれない
    • 鳥山明デザインの敵」みたいに、女の子ではないが魅力的/親しみのあるデザインの敵でもアリかも(ただし難易度は高い)。この場合は複数同時に出現させやすい(女の子の見た目は個人差なので複数同時違和感が強いが、モンスター/動物の見た目は種族差なので複数同時違和感は弱い。ただしボス格の場合は女の子同様に個人差となるので注意)
      • babaraさんのフラクエシリーズは割とこの要件を満たしていた(あと女の子率がそこそこ高かった)
  • 最初の三分で「引き込まれるストーリー」を出して引き込む

    • 「魅力的なキャラ」と同様に、漫画、小説、映画脚本のテクニックが流用できる事が期待される。というかそっち方面の才能が必要…あるのか?
    • 筒井康隆「創作の極意と掟」、大森望「SFの書き方」、あたりの書籍を参考に考えてみたいところ

こんなところか?

どれから手をつけるかは迷うものの、まず一発では当たりは引けないだろう事を考えると、どれからやっても大差はないと思われる。 つまり上記の案を片っ端から試してみるしかないだろう。

やれ!!!!!!!