VNCTST games 開発日誌

ゲーム開発日誌

ゲームの面白さのジャンル区分による考察

ここのところ全くゲームが作れなくなってしまった。

どうして作れないのかというと、作ってても一向に面白くなりそうにないからなのだが、これを改善するにはそもそも「ゲームの面白さ」とはどういう事なのか考え直す事が必要そうなので、ちょっと考えてみた。


ゲームの面白さには様々な種類がある。自分で適当にリストアップしてみた。

  • 対戦ゲーで、他プレイヤーに勝つ面白さ

    • ジャンルは多種多様
    • 基本的には同じ土俵の上で競い合う(キャラ性能に違いはあっても、とにかく相手のHPを0にしたら勝ち、的な)
    • あまりに戦力差がありすぎる場合(延々と勝ち続ける/負け続ける)は面白くない
    • 対戦相手がcpuでも、この面白さは一応ある
  • 過酷な環境で生き残り続ける面白さ

    • テトリスやLevels等のようなパズル型がメインだが、ゲーム状況が進む毎に敵の攻撃が強力となるアクション、シューティング、RPGもこれに含まれうる
    • 簡単すぎると前提となる「過酷な環境」部分が壊れてしまい、面白くなくなる。また難しすぎてもクリアできず面白くない
  • 自分の所有する資源をどんどん増やす面白さ

    • クリッカー系、RPG系、マルチプレイ型シミュレータ、等々
    • ここで言う「資源」は「所持金や土地」等だけではなく、「前述資源を多く得られるようになるスキルなど」も含まれる。そして、これには単に「強い装備」等も含まれる(多くのケースで「強い装備≒強い敵を倒せる≒報酬の量や質が向上」である為)
    • 後述の「コレクション」とは微妙に異なるので注意(ただし重なる場合もある。cookie clickerではachievementの数によってcpsにボーナスがかかるupgradeがある)
  • 自分の所有するコレクションをどんどん増やす面白さ

    • 実績(achievement)集め、カード(ユニット)図鑑埋め、アイテム図鑑埋め、等々
    • 前述の「資源」とは違い、基本的にはゲーム内での実利がない事がほとんど(前述の通り、重なる場合もあるが)
  • 何らかのチャレンジを達成する面白さ

    • ラスボスを倒す、全面クリア、トゥルーエンディング到達、スコアランキング上位入賞、等々
    • 難易度が高い程、達成した時に達成感を感じられる(もちろん、難易度が高い程、それを達成できる人数は少なくなる)
    • これらは明示的に「実績集め」化する事もできる
  • 発見する面白さ

    • 隠されていたアイテム等を発見するのは面白い(驚きがある)
      • しかし以下の問題点もある
        • プレイヤーに発見されなければ全くの無意味
        • 発見したアイテムのゲーム内の価値が低いと、逆にガッカリする事もある(しかし一種のギャンブル性の面白さにはつながるか?)
        • 発見できるアイテムのゲーム内の価値が高いと、wikiを見てでも発見しようとするので、逆に面倒になってしまうケースがある(これはコレクション対象だった場合もそうなる)
    • 新しい(見た事のない)アイテム等を発見するのは面白い(興味を引く)
      • ただし、一度に大量の「見た事のないアイテム」が出てくると、逆に作業感を感じてしまう(これらを一つずつチェックする手間がかかる)
  • ギャンブルの面白さ

    • 一般的なギャンブルの面白さと同様。しかしゲームに適用するのは意外と難しく、以下の問題をかかえる
      • ギャンブルの結果増減するゲーム内資産に、プレイヤーから見て十分な価値がなくてはならない
        • つまりギャンブル以外に資産をやりくりするエコシステム(景品ショップ等)が必要という事であり、ギャンブル単体では成り立たない
        • オンライン麻雀等なら一応、「ゲーム内ランキングポイント」のような評価にしても成り立つが、これはギャンブル自体の面白さというよりは「対戦の面白さ」の方にいってしまっている
      • セーブロードシステムとの相性がとても悪い
  • 観光の面白さ

    • 「このゲーム世界/ステージはどんなところなのか」を見て回る面白さ
      • ノベルゲーで「このキャラやストーリーがこの先どうなるのか気になるから全部一通り見る」というのもこれに含まれる(もしこれが「あんま面白くないけど、とにかく全エンディング確認しておく」の場合だと「コレクション」の方に相当する)
    • また、二回目以降のプレイで、好きな歯車のギミックが存在するとか、好きなキャラが出るとか、好きなBGMが流れるとか、演出がかっこいいとかの理由で、特定ステージを通るルートを選んだりできるケースもこれに相当する
      • 悪魔城シリーズなどにそういう要素がある
  • 創造の面白さ

    • マイクラ、マリオメーカー等。スプラトゥーンのバナー画像作成等もこれに含まれるか?
    • 自分で作成したマップデータやバナー画像等を他プレイヤーに見てもらう機能がほぼ必須。なのでオンラインが前提となる
  • 他人との(対戦勝負以外での)コミュニケーションの面白さ

    • オンラインが前提
    • 人狼BBSMMORPGなど
    • 基本的に、他の面白さ要素(対戦勝負など)がメインで、コミュニケーションの面白さ自体はメインにはならない(なぜならそれはlineやポストペットのようなコミュニケーション専用ツールのジャンルとなり、ゲームではなくなる為)

ここでは上記に「対戦面白さ」「過酷環境面白さ」「資源集め面白さ」「コレクション面白さ」「チャレンジ面白さ」「発見面白さ」「ギャンブル面白さ」「観光面白さ」「創造面白さ」「コミュニケーション面白さ」の名前を仮に割り当てる。

これらには重なる部分などもあり、より体系的(学問的)な分析は確か、書籍「中ヒットに導くゲームデザイン」あたりにあった記憶がある。が、今回やりたいのはそういう事ではないのでこのまま進める。

自分の好きなタイプ、好きじゃないタイプ、これまで作ってきたゲームに相当するジャンル、を分類すると、以下のようになる。


  • 好きなタイプ:「資源集め面白さ」「発見面白さ」「観光面白さ」「創造面白さ」

  • 好きじゃないタイプ:「対戦面白さ」「ギャンブル面白さ」「コミュニケーション面白さ」

  • これまで作ってみたタイプ:「過酷環境面白さ」「資源集め面白さ」「コレクション面白さ」「チャレンジ面白さ」「発見面白さ」「観光面白さ」


まとめ1

  • 「好きじゃないタイプ」を作ってないのは、好きじゃないのでokとする。

  • 「好きなタイプ」の内、まだ作っていないのは「創造面白さ」のジャンル

    • どうして作ってないのかというと、以下の理由による
      • オンライン保存がほぼ必須となり、その部分で手間がかかるのが面倒だから。技術的には問題なく作れる筈だが…
      • 「創造面白さ」にはオンライン機能がほぼ必須であり、プレイヤーが少ない内はオンライン機能はほとんど意味をなさず、そうなるとオンライン要素抜きでも楽しめる内容でなくてはならない。という事は、まず他の要素で遊べるゲームを作り、そこにオンライン機能をあとで付けた方がよい、という事になる

まとめ2

  • ここのところ作っていたゲーム( http://banker.tir.jp/op0029/ )は、「資源集め面白さ」「発見面白さ」「観光面白さ」のあるゲームを目指していたのに、これらの面白さの要素が出てくる気配が全然ないのに嫌気がさして一旦中断する事となった。

  • どうにかして、「資源集め面白さ」「発見面白さ」「観光面白さ」の三つを「開発中に」も感じられるゲームの原案を作らなくてはならない(「創造面白さ」については前述の通り、後付けでの追加にした方がよいだろう)。どうやれば、そのような原案ができるのだ!!!!!