VNCTST games 開発日誌

ゲーム開発日誌

お絵描きメモ

電ファミニコゲーマー企画記事分析 #6 マシリト回にて「先にキービジュアル等を作り込む、クロノトリガー方式でのゲーム開発を行う」という結論が出た。

「キービジュアル等を作り込む」と言っても、これも自分がやる以外にはないので、手はじめに、20年ぶりぐらいにまともに絵を描いてみた。

その手順、次回への課題、等々をまとめた。

https://twitter.com/rnkv/status/718223879039291392

まとめ

  • 『キービジュアルだけ外注する』というのを考えた方がいいかもしれん。

    • 実際、クロノトリガー自体『鳥山明にキービジュアル等を外注した』とも解釈できる訳で、外注する事自体は悪い訳ではない。
    • 問題点は、そんな資金はないという事。
  • 自分でなんとかする場合、各種の、絵を量産する為のテクニックを身に付ける必要がある。

    • 現状ではあまりに工数がかかる為。
  • もし今後も自分で絵を調達するのであれば、誰か「お絵描きの師匠」を見付けるべき

手順

今回の実際の作業は厳密にはこの手順とはなっていない。この手順は、今回の実際の作業中に試行錯誤した結果、「最初からこうやればベストだったのでは?」と後で考えたもの。なので、もしかするとこの手順では上手く行かなかったり効率の悪い箇所があったりするかも。

  1. 板タブを用意する。

    • 10年放置した板タブのスタイラスは、グリップのゴム部分がネバネバになっている。まずティッシュ等でネバネバを除去する必要がある。
  2. 板タブのドライバをインストールする。

  3. FireAlpacaをインストールする。

  4. FireAlpacaを起動する。

  5. FireAlpacaおよび板タブの設定を変更する。

    • FireAlpacaの設定で「編集モード」を「プロフェッショナル」にしておく
    • FireAlpacaの「表示」→「フルスクリーン」を有効にしておく
    • FireAlpacaの「ウィンドウ」にて「ブラシプレビュー」を消し、代わりに「資料」を出しておく。その後「資料」ウィンドウを右側ではなく左側の、元々「ブラシプレビュー」のあったあたりに移動させる
      • 慣れたら「ナビゲーター」も消せそうだが…
    • 板タブのスタイラスのボタン類は、うっかり押してしまう事故の原因にしかならないので、全部無効化しておく
    • 板タブの板側に付いているボタンに、よく使うショートカットキーを登録しておく
      • 今回は「command Z => undo」「command Shift Z => redo」「command - => 縮小」「command = => 拡大」を設定したが、もっと良い割り当てはあるかも
  6. FireAlpacaで使えるショートカット(Mac用)を開き、よく使うショートカットキーを記憶する。忘れたら再確認する

  7. 今回描きたい絵の参考にする画像類を予めダウンロードしておき、「資料」のところから開いておく

  8. 「ファイル」→「新規作成」で作成を開始する。解像度を600dpi、サイズを1600x1600ぐらいにしておく

    • サイズは後から変更できるので、適当で問題ない
  9. 「ファイル」→「名前をつけて保存」を行い、適当なファイル名を付けてセーブしておく

    • セーブ先は、ロールバック可能なdropbox配下が安定
    • 以降では、適切なタイミングでこまめに「Command+S」を押し、セーブしていくようにする
  10. 勢いよくラフを描く。細かい事は気にしなくていいので、大体のポーズ等を決める事

  11. 右下のボタンから「レイヤーフォルダの追加」ボタンを押し、できたフォルダをダブルクリックし、「rough」みたいな名前を付け、「下書きレイヤー」に印を入れ、OKを押す

  12. さっき描いたレイヤーをroughフォルダに入れ、不透明度を25%前後にする

  13. 新しいレイヤーを作り、そこに下書きを描いていく

    • この下書きを描く際には、なるべく細い線で描いた方がいいようだ
    • まだ「下書き」なので、丁寧に描く必要はない。が、ラフとは違い、「迷い線」をなるべく書かないようにする(と良い、とあちこちのサイトに書かれていた)
  14. このレイヤーもroughフォルダに入れ、不透明度を25%前後にする

    • ラフと重なって分かりづらくなるようであれば、ラフの方のレイヤーは非表示にしてよい
  15. ここまででできた「下書き」をベースに「線画」を描いていく…のだが、ここからは各パーツ毎にレイヤーフォルダを分けた方がいい。ので、このタイミングで大量にレイヤーフォルダを作り、それぞれに区別できるように名前を付けておく。今回は以下のように分けた

    • 腕(最前面にある部分)
    • 髪の毛1(前髪)
    • 髪の毛2(顔より後ろにあるが、身体よりも前にある部分)
    • 髪の毛3(顔と身体より後ろにある部分)
    • 顔1(まゆ毛、目、鼻、口)
    • 顔2(輪郭部)
    • 上半身(の服)
    • スカート
  16. 上記の中に順番に、線画レイヤを作って描いていく。以下の点に注意する

    • 描いている最中のレイヤ以外は、一時的に非表示にしておくとよい
    • 他のレイヤに隠れて見えなくなる部分もきちんと描く。これをしないと整合性が取りづらいし、後からパーツをずらして対応したりできるようにもなる
    • とりあえず太い線で描き、消しゴムで適切な太さになるように削っていく
      • そうしないと、綺麗な線が引けない…
      • 熟練者ならば、そんな事しなくても一発で綺麗な線が引けるのだろうが…
    • 「線を引こうとして失敗してundoする」のを二回繰り返したら、更にもう一度失敗する前に「拡大」ボタンを押して描きやすくする。また「←」「→」を押して一時的に回転させる事も検討する
      • デジタルお絵描きの利点である「undo可能」と「細かい部分はズーム状態で描く事ができる」のを最大限に活用する事。この為に、これらのショートカットをすぐ押せる状態にしておく事。
      • 「手ぶれ補正」のパラメータを上下させる事も検討する
  17. ここまでできたら、下書きレイヤを非表示にできる

    • しかし、まだ下書きを見たい場合はありえるので、レイヤ自体は捨てずに、非表示状態のまま残しておくとよい
  18. 一旦全部の線画レイヤを表示状態にして確認してみる

    • 微妙にずらした方が良さそうなレイヤがあったら、ずらしてもよい
  19. 各パーツの線画ができたら、各パーツの色塗りレイヤを作って塗っていく。以下の手順で行う

    1. 描いている最中のレイヤ以外は、一時的に非表示にしておくとよい
    2. 線画の中の塗りたい領域を「自動選択ツール」で選択する。複数ある場合は「Shift+クリック」で追加選択していく
      • 塗りたい領域が線画で閉じていない場合は「選択ペンツール」を使い、開いている部分を先に選択領域で閉じておくと「自動選択ツール」で選択できるようになる。文章だと分かりづらいが一度やれば分かる
    3. 「選択範囲」→「拡張」で、1~2ぐらい拡大しておく。これは、この後にバケツツールを使う際に、線のアンチエイリアス部分に色が付かなくなってしまうのを防ぐ為に必要。
    4. 一時的に線画レイヤを非表示にする。これは、FireAlpacaのバケツツールに「選択範囲全体のみを塗りつぶす」オプションがない為。「塗りつぶしたい部分=選択範囲=選択範囲内に他の色が含まれていない」状態に明示的にすれば、選択範囲全体をきちんと塗りつぶせる。
    5. 選択範囲内をバケツツールでベース色に塗る。この時点では影の事は考えなくてよい
      • ちょっとインチキだが、色は「資料」ウィンドウのスポイトツールから抽出可能
      • よく使う色は「パレット」ウィンドウに登録しておいた方がよい
    6. 線画レイヤの非表示を解除する
    7. この状態で確認し、もし塗り残しがあった場合は、普通にブラシツールでそこだけ手で塗りつぶす
  20. もう一度、一旦全部のレイヤフォルダを表示状態にして確認してみる

    • 微妙にずらした方が良さそうなレイヤがあったら、ずらしてもよい
  21. 各パーツにベース色が付いたので、次は各パーツに影を付けていく。以下の手順で行う

    1. 影レイヤを作る。影レイヤは各パーツのベース色レイヤの「前」に置き、「クリッピング」にチェックを入れる。
    2. 影レイヤに色を塗っていく
  22. 最後に、全レイヤを表示状態にして確認し、パーツ同士によってできる影も、それぞれの影レイヤに反映する。

  23. おかしいところがあれば直す。なければ完成。「ファイル」→「ラスタライズ」で、全てのレイヤを一つに結合したものを別のファイルとして作成できるので、これを「ファイル」→「名前をつけて保存」でpng保存する。これを必要な数だけ行う

    • 今回は人物一人だけだったが、背景も自分で描くなら、同じ工程を別途行う事
  24. 上記のように描いた絵の全てのpngを、gimpで開き、適当に配置してエフェクト等を適切にかけてxcfで保存して適切な形式にexportして完了

次回への課題

  • ショートカットキーの記憶

    • がんばっておぼえる以外の手はない
  • 板タブ使いづらい

    • 「画面の角度と板タブの角度がずれてる」事が多く、線を引いたら変な方角に行ってしまい困る
    • だが液タブは「手やスタイラスで画面が見えなくなる」「高価」という問題が分かっている
    • どうしようもないのでは?
  • 目が上手く描けない

    • ネットで探せば大量に描き方の記事が見付かるので、がんばる、しかない
  • ラフの構図が微妙

    • 勢いで素早く描いてみて、駄目だったら一旦消して描き直す、のを繰り返す、しかなさそう
  • 下書き、線画が下手

    • 諦める
  • 影塗りが下手

    • ネットで上手いやり方の記事を探して勉強する、しかない
  • 描くのに時間がかかりすぎる

    • 上記の工程の内で特に時間がかかっているのは「線画」と「影塗り」。
      • 「線画」は「一度太い線を引いてから消しゴムで形を整えて綺麗な線にする」作業に時間がかかっている。これを一発で引けるようになれば大きく改善するのだが…
      • 「影塗り」については、色塗りが苦手なので何度もやり直しているのが時間のかかる原因。これについては下手なのを改善するしかないのでは?
    • 上記だけではなく、そもそも全体的にも時間がかかっている為、各種の「絵を量産する為のテクニック」をネットで調査して身に付ける必要がある