電ファミニコゲーマー企画記事分析 #1 ゼビウス回
電ファミニコゲーマー企画記事分析のルールに従って、 http://news.denfaminicogamer.jp/projectbook/xevious を分析するエントリ。
ゼビウス
ドット絵表現のカッコ良さ(存在感)
世界観
- えらい人がすごい適当なネタを持ってくる
- それらをすべて包括する世界観をがんばって構成
- その世界観の中で使われる独自言語(ゼビウス語)を用意し、タイトル名等の謎の単語は「その独自言語でこういう意味」等と設定する(こじつけ)
- すべての敵キャラに名前がある
- 「名前をつけることで、色んなことが定義される」
- それぞれの敵にゼビウス語で名前を付ける(初期wizの呪文名みたいな体系ができる) → 「異文化テイストの創出に成功!」
- (当時の)コンピュータっぽいイメージのフォントをデザインする(これもドット絵)
- 上記で構築した世界観を断片的に出す
- ノートにストーリーを書く(10年後に書籍化)
- 「こういうムリヤリな制限があったからこそ、良くなった部分もある」
- 「あれだけの派生コンテンツを作れたのは、最初に世界観を徹底的に構築できたのが大きかったように思いますね」
セガ版テトリス
『テトリス』は元々、上から落ちてきたブロックが下にくっついた瞬間に固定される仕様だったのを、セガはその設置にタイムラグを設けて、接地してからもしばらく左右に動かせるようにしました。その簡単な仕様変更により、一気にテトリスのゲーム性は飛躍したんだ、と。良いアイディアというのは、こういう小さな工夫でゲーム性を一気に高めるものなんだ
北米版ドンキーコング
海外の『ドンキーコング』は、日本でいうところの1面の次に4面が来る構成なんです。しかも、普通だったら4つ面作ったら、それをただループするだけでしょう。ところが、横井さんは最初の周では1面と4面、2周めは1面、3面、4面、3周めは1面、2面、3面、4面、というふうに、小さいところから回るたびに大きくなっていく不思議な構成で作っていたんです
その他
「難易度上昇は、ゲームにとって本質的ではない」
- 難易度上昇はそもそも、アーケードゲーム(=エンディングがない/エンディングがあっても二周目以降が延々と続くゲーム)の為のもの
- 難易度が上下するメリハリ自体は必要だが、難易度が上がり続ける絶対の必要性はない
コンセプト主導での開発
「エンターテイメントなんだから、ゲームはリアルにすればいいもんじゃない」
「『ポケモン』って最初はバリエーションを7つにしようと考えていたのですが、それを赤と緑の2色に絞った」
曖昧なままにしておく謎を残す
- 噂などが出るような余地を残す?
- 意図的には困難なように思える。しっかりした世界観から自然に出るようなものが望ましい
- その上で「あります」「ありません」のような明言を避ける
- 噂などが出るような余地を残す?
自分用まとめ
ゼビウス方式による世界観構築
- sandboxを用意し、そこに必要とされるルールを投げ込む
- 「必要とされるルール」とは以下のようなもの
- 開発環境、開発期間、プレイ環境、公開時期、等の「開発側の事情」
- コンセプト、お題、題材、等の「テーマ類」
- 「利用可能アセットによる制限」
- 「必要とされるルール」とは以下のようなもの
- sandbox内で矛盾がないように追加投入/調整を行っていく。現実世界とは矛盾しても別によいが、sandbox内で矛盾がないようにする
- いわゆる「メタ要素」は「sandbox内に現実世界(の一部)を持ち込む」事である為、矛盾(興醒め)の元になる。ただし以下のどちらかであれば回避は可能。
- 「sandbox内に別のsandbox(の一部)を持ち込む」タイプの「メタ要素」とする
- 「sandboxを構築する際に、(最低でも現実世界と連動する部分には)現実世界と矛盾しないようにルールを調整する」(高難易度)
- いわゆる「メタ要素」は「sandbox内に現実世界(の一部)を持ち込む」事である為、矛盾(興醒め)の元になる。ただし以下のどちらかであれば回避は可能。
- 早い段階でタイトルロゴを作るようにしてみる(世界観に影響を与える)
- この段階で徹底的に構築できれば、それだけで財産になる(この世界観から複数のゲームが作れる)
- sandboxを用意し、そこに必要とされるルールを投げ込む
上記の世界観に即したアセット(グラフィック、BGM、SE、フォント等)の用意
- 神は細部に宿る。世界観と合致する質感を出したいところだが…
ステージ順やデモシーンの順を、後で変更/工夫する事を考慮する
…まとめてみたものの、この「世界観の構築」は、自分には向いてない作業のような気がする。
これ自体は非常に参考になるし、この方式でゲームを作る事も将来あるかもしれないが、優先順位は下げ、他の方法を先に検討する結論としたい。