VNCTST games 開発日誌

ゲーム開発日誌

第19回あほげー参加作品「BHD」自己分析結果

どうにかして今後に面白いゲームを作る為に、第19回あほげー参加作品「BHD」を作成した際の手順や所要時間等から、何らかのヒントが得られないか考えてみる反省記事。

作成したゲームはここから遊べる。

あほげーについては以下の公式サイトを参照。

所要時間および作業内容

忘れないように、終わった直後ぐらいにメモしておいた内容。

  1. イデアの検討 - ブレストを行い、その中からいけそうなものを何個かに絞る作業 - 3時間

    • 今回採用したBHDのアイデア以外には「ダイエットパックマン」「レベルアップしてスキルツリーを進めてビカムアンデッドの術を習得するRPG」「ダイエット効果付き魔除けを探して持ち帰るRPG」「カロリー=MPの魔法使いアクションゲー(MPを使いすぎるとダイエット効果に満足して家に帰ってしまい先のステージに進めない)」等が出ていた
      • 上記の中からBHDを選択したのは「上記の中では一番、他人とネタかぶりしなさそう」「実装が簡単そう(少なくともRPGやステージ制アクションよりは)」という、あまり前向きではない理由
  2. オープニングデモの作成 - 合計15時間程度

    • ノベルゲーム風のシステムを実装 - 8時間
      • こういう汎用的に使い回しできるシステムは、あほげーが始まる前に用意しておけばよかったのだが、後で言っても仕方がない…
    • グラフィックアセットの用意 - 4時間
      • 今回は、自前で用意していたら間に合わないと判断し、いらすとやさんのものを利用させてもらった
      • オープニングデモのみではなく、ゲーム本体でのみ利用するアセットの加工も大体ここで行った
    • ノベルゲーム風のシステムに食わせるシナリオデータ(台詞表示、背景変更やキャラ移動等)の作成 - 3時間程度
      • 上記の作業中に、同時に、ゲーム本体のルール、世界観設定、キャラ設定、等々を行っていた(アイデア等を思い付き次第メモ用テキストファイルに書き出し、あとから整合性が取れるように取捨選択する)。この作業および、これを実データ化する作業
      • とりあえずテキストだけで文章だけバーッと書いて表示させるようにする。画像やBGM等は後でよい
  3. ゲーム本体の実装 - 合計12時間程度

    • 重力移動システムの作成 - 3時間
    • タイトルロゴの作成 - 1時間
      • GIMPでそれらしくいじりまわして作成
    • SEの作成 - 1時間
      • 「ロケットの発進する爆音」がなかったので作成した。なかなかそれらしいのができず、意外と時間がかかった。他のSEは以前に作成したものを使い回した
    • クリア/ゲームオーバー回りの判定と実処理 - 1時間
    • 適切なゲームバランスになるようにパラメータを調整 - 6時間
      • 最初の内はどうやってもいいバランスにならなかったが、後付けで「ロケットエンジン動作中は自機の自転速度を大幅に少なくする」仕様を追加し、これのおかげでそれなりに遊べるバランスになった
  4. cljsの:optimizations :advancedだと動かなくなる不具合の修正 - 6時間

    • リリース直前のチェック時に発覚。調査に時間がかかったが、根本的な原因は、pixiのバージョンアップに伴うexterns漏れだった
  5. リリース作業(公開サイト設定、最終動作確認、修正、等々を含む) - 1時間

以下は後日に追加した要素

  1. エンディング追加 - 18時間

    • なかなか面白い内容が思い付かず、また、個別のアセットを用意して追加するのも面倒なので、だらだら作業をした結果、無駄に時間がかかってしまった
  2. その他の改善や修正など - (所要時間不明)

ゲーム自体の内容についての考察

  • それなりに面白くはなったと思うが、天体重力シミュレーションゲームとしては、ものすごく小規模な内容だと思う。

    • 重力源が二個固定なので、マップデータ的な面白味はない。ただ、天体重力シミュレータとして必要最小限の複雑性は一応出せていると思う。
    • 最初はLunar Landerを意識していた筈なのだが、Lunar Landerっぽい要素はほとんどない。
  • オープニングが長すぎてよくない。

    • でも今から直すのも面倒なので、このままで…
  • エンディングのアンロックシステム自体は悪くはないと思うのだが、アンロックの条件は最高得点ベースではない方がよかったような気はする。

ゲーム量産のインセンティブ等についての考察

  • 今回は、いらすとやさんの素材を使わせてもらったが、「既にこのアセットを使う事が決まっている」というだけで、そこから内容をふくらませて決定していく事ができた。アセット駆動開発。
    • 具体的には、いろいろな角度から見たおじさんのイラストを見た際に「これをそのまま回転させてロケットとしよう」というアイデアが出た。
      • 当初は普通のロケットの外側に半裸中年男性が縛り付けられているようなグラフィックの予定だった。
    • 自分が読んだ、多くのゲーム開発の本には、「とりあえずキャラは丸や三角や四角でいいから、先にゲームのロジックを実装してみて、その面白さを確認すべき。きちんとしたキャラを使うのはその後」という風に書かれていた。が、この手法はあほげーのような、一人開発かつ超短期でのゲーム開発には向いてないようだ。多人数かつ中長期のゲーム開発向けか?
    • あと「既にアセットがある」というのは、「これで実装しないともったいない!」的な、インセンティブにも良い影響があるように思えた。
      • ただ、1~2月にやってたDenziさんのXanadu風タイルマップとかの経験からすると、タイルマップ等の場合はそれ単体では駄目で、これを組み合わせて建造物やマップデータの形になったものを多数用意できないと前述の「既にアセットがある」感が出ず、インセンティブにはなかなかつながらないような気もした。厳しい。
    • この方式が有用であれば、「ゲーム本体を完成させるよりも先に、アセットを外注する/販売しているものを購入する」のも検討する価値がある。

今回のまとめ

あほげーのような、超短期製作を前提としたまとめ。

  • 可能なら、汎用システムは事前に作っておこう

    • とは言え、ゲーム内容の決定結果によっては使わないケースも普通にあるので…
  • アセット駆動開発を試そう。利用するアセットの決定を先にやってみよう

    • もちろん、駄目そうなら一度決定したアセットでも後で変更してよい
    • これはアセットを自作する場合にも適用できるが、自作したアセットの品質があまりに良くない場合、逆効果(時間の無駄)になってしまう気もする
  • 明確なストーリーが決定していない場合は、オープニングや中間デモ等を作りながらストーリーの内容を確定していこう

    • とりあえず画像やBGMなしでいいから、テキストとしてバーッと作る
    • オープニングが長いのは駄目。チェルノブみたいな感じがベスト
  • ゲームバランス取りにかかる時間は多めに取っておこう

    • どうやってもクリア不能だったり面白くならない場合、システム要素の追加/削除までする事になる為